浪江の米と水
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浪江の米で。
浪江町の稲作の震災前からの回復は厳しい環境にあり、まだわずかな耕作面積しかありません。
しかし、その中でも尊敬できる米づくりの農家さんが育ててくれた飯米になる美味しいコシヒカリを用いて、いい酒を造りたい。もちろん安全基準を大きくクリアしているその米は、浪江町の酒田地区という文字通り、酒のための田んぼで手間ひまをかけた飯米を、杜氏が自ら田んぼを見ながら厳選して使っています。
さらに、酒かすを肥料として再利用する米づくりにも取り組んでいます。故郷での酒づくりに一緒に取り組んでくれる地元の仲間たちの存在が私たちに力を与えてくれ、だからこそ、浪江町の農業の支えにもなるような酒づくりをしていきたいと思うのです。
浪江の水で。
浪江町には阿武隈山系を源とする高瀬川があり、太平洋にもつながっています。
その高瀬川が流れる小野田地区の水を汲み取って、仕込み水として使用しています。
この水は町の水道課の分析結果によると一般細菌がなく、全国的にも珍しいほどの素晴らしい水質であることがわかりました。これからは、この水を山形の長井まで運ぶことなく、浪江の蔵で仕込みに使うことができる。きれいな味わいで輪郭が立ちすぎることなく体にスーッと入ってくる水で造ると、酒の味わいまでもが、きれいになるのです。小野田地区の水だけでなく、浪江町には、いい水が湧いています。
いい水を使い、いい酒を造るために、さまざまなチャレンジをしていきたいと思います。