新企画商品「×シリーズ」

「クロスシリーズ 」企画背景

同じ米を使ってもそれぞれの酒蔵の味になるのが、水や気候風土の影響を色濃く受けるのが日本酒です。また、同じ蔵でも杜氏が替わると味も変わるといわれます。当然、考え方が違えば味に違いが出るのは必然だと思いますが、よりいい酒を!うまい酒を!と思う気持ちは全ての造り手に共通することだと思います。そのいい酒うまい酒も人それぞれの考え方があるわけですので、今現在、多種多様な日本酒が存在することに繋がっているのだと思います。そんななか、当蔵に縁のある方に来て頂き、仕込み配合の作成から仕込み・醪管理から酒になるまでを私どもと一緒に行うという企画を立ち上げました。全く新しい形の磐城壽になると思います。
しかしながら、自分達だけの世界の中でずっと日本酒を造り続けているのでは井の中の蛙状態ですし、何より、様々な方々の考え方、技術を学べるということが本企画の意図でもあります。
人と人、技と技が交わり(クロスし)、掛け算のようにより大きなモノを生み出していければという思いです。
当蔵では、四季醸造を行っておりますので、通常の酒蔵の夏季の休蔵期に様々な酒蔵関係の方々にお越し頂いて別なスタイルの磐城壽をお届けできればと思っております。
クロスシリーズの一つだけお約束としまして、原則浪江町産コシヒカリを使用することで、あとはお任せで行って参ります。
※クロスシリーズの企画名は、〇〇〇×磐城壽の「×」を「かける」ではなく、「クロス」と読ませてクロスシリーズです。

[第一弾] 日本酒の神 鈴木賢二先生と仕込む純米吟醸「鈴木賢二×磐城壽」

まず第一弾は誰にということで、福島県から世界に羽ばたく、日本酒の神・鈴木賢二先生にお願いすることになりました。その鈴木賢二先生が、酒質の設計、仕込み配合の作成、麹菌・酵母の選択、仕込み、醪管理までを通して行った純米吟醸です。鈴木賢二先生ご自身も初めての試みでしたが、これぞ鈴木賢二先生という仕込み配合、仕込み方、水の管理で私どもに新しい気付きや学びを得ることができました。本当にこの企画を立ち上げて有意義な期間でした。
酒質としましては、バランスのよい香りと、日本酒度が進んでないタイミングで搾りながらも爽やかさが前面に出ているものとなっています。今回は、生酒と火入れ酒のご案内になります。

 ◆クロスシリーズ 鈴木賢二×磐城壽 生酒
  720ml(12本入) 税別小売価格1,800

 ◆クロスシリーズ 鈴木賢二×磐城壽 火入れ
  720ml(12本入) 税別小売価格1,800

鈴木賢二 先生

福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターの元副所長。現在は退官し、福島県酒造組合の特別顧問。
ハイテクプラザ時代、醸造・食品科にて独自の「福島流吟醸酒製造マニュアル」を作成し、福島県の酒質向上に精力的に貢献。
昨年までの全国新酒鑑評会では福島県の金賞受賞数9年連続日本一は記憶に新しい。

メッセージ

このお酒は、鈴木酒造店の専務であり、かつ鈴木チルドレンの一人である鈴木荘司くんの発案で企画されました。
酒質設計・醪の管理指導はすべて私鈴木賢二が請け負いました。その他の条件として、原料は地元浪江町産の「コシヒカリ」精米歩合60%、しかも米の形に精米する“扁平精米”総米360kg仕込みです。
せっかく私が酒質設計を任されるのですから、私の好みのタイプというのは当たり前です。そこで、福島県産酒の特徴「芳醇・淡麗・旨口」をコンセプトとしました。
芳醇は、福島県オリジナルの「うつくしま夢酵母」と「うつくしま煌酵母C10」を1:1にブレンドしました。加えて、酒母は私が考案した「一夜酒母」。香りを出すには最適と自負しています。
淡麗は、私が監修している「福島県吟醸酒製造マニュアル」に沿っての醪管理にしました。
加えて、発酵温度を最高11℃程度に抑え、低温長期間の発酵により、結果的に想定通り軽快で上品、アミノ酸も少なく、後味のキレが抜群な酒に仕上がりました。
旨口は、近年、大吟醸酒の製造などで主流となっている「高グルコアミラーゼ麹菌」を使用しました。キレイな甘味と旨味を兼ね備えます。そして、何と言ってもアルコールが16°時点での原酒上槽(酒の搾り)。従来の割水を抑えることにより、十分なほどの旨味を実現させました。
結果的に、仕込み・発酵とも順調に進み、23日目のちょうど良いタイミングで上槽する事が出来ました。酸味も想定よりも低く、フレッシュでマイルド、そしてキレイな味わいのお酒が誕生しました。
肴としては、個人的には、白魚の刺身にぽん酢をかけた物が合いそうな気がします。(今の時期には生がありません)また、新鮮なシラスなどにも合いそうですね。ぜひとも試されてみてください。

鈴木 賢二

 

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